キタハガネとは
キタハガネは、福井県池田町で長年たたら製鉄の研究を行ってきた「たたら房(TataLabo)」と北鋼シャーリング株式会社が共同して開発した刃物用鋼材です。
北鋼シャーリングが扱う特殊な鋼材を原料として、たたら房の技術で玉鋼同等の構成要素の鋼を実現しております。
※成分比較表参照
キタハガネの成分は北陸の砂鉄で作った玉鋼よりも硫黄・リンが少なく、玉鋼にはないマンガンが多く含まれていることから、玉鋼よりも錆びにくく靭性のある刃物が製造可能と考えられます。
※成分分析はサンプルを用いた蛍光X線分析です。
工業製品ではありませんので、すべての製品でこの成分を担保することはできません。
この点をご理解いただいたうえでご利用願います。
現在、日本刀用に更に靭性を高めた鋼の開発に着手中です。
ご期待ください。

キタハガネの使い方
キタハガネは、日本刀の材料である玉鋼と同様に、折返し鍛錬を必要とする素材です。
工業製品ではないため、素材の状態では炭素量が均一ではありません。
折返し鍛錬を行う事で、炭素量を均一に近づけ美しい地金を作ることができます。
キタハガネを鍛錬する際は、弱い送風でゆっくりと鋼の芯まで温める必要があります。
鋼の表面だけが昇温している状態で強く叩くと、鋼がボロボロと崩れやすくなります。
芯まで温めるように時間をかけて昇温させてください。
鋼全体が真っ白になり火花が散る状態からゆっくりと鋼を叩き締めてください。
一気に強く叩くと鋼が飛び散る事があります。
ゆっくり叩き始め、手ごたえが強くなってからしっかり叩いてください。
折返し鍛錬については刀匠の方々が様々な動画を公開しておりますので、検索されるとよいと思います。
最後に注意点として、折返し鍛錬を行うと、折った鋼の間に空気が閉じ込められることがあります。
この空気を逃がさず鍛錬を続けると、火作りや砥ぎの際に傷になることが多いです。
鋼の表面に色の違う部分があれば、閉じ込められた空気の存在を疑い対処してください。
